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イソフラボンとがん
長年にわたって、日本人の死因第一位は、男女ともにがんです。
原因は様々で、遺伝やウイルスなど避けられないものもあります。
しかし、喫煙、過度な飲酒、偏った食事などの悪習を続けることによって、がんの発症を招くとされているものも多いのです。
そして、このようながんの原因の多くは、日頃の意識で変えることができる習慣ばかりです。
こうして日々がんに対する研究が進められていく中で、イソフラボンには、特定のがんの予防に効果があることが分かりました。
1.乳がん
乳がん患者は、年々増加の一途をたどっています。
豊かな時代になるとともに子供の発育が良くなり、寿命も延びたこと、それにより初潮が早く閉経が遅い女性が多いこと、女性の社会進出が進み、未婚で出産や授乳の経験がない女性が増えたことは、乳がん患者の増加に直結しています。
それは乳がんの原因が、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の過剰分泌や、乳腺がエストロゲンの影響を受ける期間が長いことと考えられているからです。
また、皮下脂肪は女性ホルモンを蓄えますが、食の欧米化によって、カロリーの高いものや脂肪分の多いものを食べる機会が多くなり、肥満の女性が増えたことも患者増加の一因です。
この乳がんを予防するとして注目されているのが、大豆製品に多く含まれるイソフラボンです。
イソフラボンは、不足したエストロゲンを補う「エストロゲン様作用」をもつとともに、それに相反する「抗エストロゲン作用」ももっています。
この作用は、乳がんの原因となる過剰なエストロゲンのはたらきを抑えます。
従って、イソフラボンを摂取することで、乳がんのリスクを下げることができる可能性があります。
実際に、日頃から大豆食品を摂取する習慣のある、日本を含むアジアの国々と、その習慣のない欧米の国々での乳がん患者発生率を比べたところ、前者は発生率が低いことが、調査によって分かりました。
日頃から、大豆食品を含んだ和食を食べる機会を増やし、イソフラボンを十分に摂取して乳がんを予防する生活を心がけましょう。
2.前立腺がん
男性特有に発症する前立腺がんも、昨今増加率の高まっているがんです。
大きな原因として男性ホルモンの影響が挙げられ、年齢を重ねるにつれてホルモンバランスが崩れることから、発症率が高まります。
若年層の発症要因として挙げられるのは、遺伝の他に食生活の変化があります。
とくに脂肪分やカロリーの高い食べ物が問題で、乳がんの要因でも触れたとおり、食の欧米化は日本人の身体に大きな影響をもたらします。
乳がん同様、前立腺がんにおいても、イソフラボンの作用は男性ホルモンの過剰なはたらきを抑え、
発症リスクを下げる役割を果たします。
また、イソフラボンには、ほかのがんの予防にも効果のある、抗酸化作用があります。
抗酸化作用は、がんの他にも動脈硬化などの生活習慣病を予防し、老化を防止するはたらきがあります。