イソフラボンには、摂取目安量というものがあります。
さまざまな良い効果を見込んでの摂取でも、とりすぎると反対に身体に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。
大豆イソフラボンを食品から摂取する場合の1日あたりの目安量は、70〜75mgまでです。
サプリメントなどの健康食品から摂取する場合は、1日に30mgまでとなっています(食品安全委員会 )。
食品では、製品にもよりますが、1日に納豆であれば1パック、豆腐なら1丁、豆乳は200mlのパック1本が適当です。
閉経前の女性は、摂取量に気を付けなければなりません。
閉経前の女性はイソフラボンの影響で、女性ホルモンの分泌量が変化しやすいといわれています。
イソフラボンをとりすぎると、脳がエストロゲンが増加したと認識して、バランスをとるためにテストステロンを大量に分泌します。
そうすると、ホルモンバランスが崩れて月経周期が遅れたり、PMSの症状が悪化するなど、体調に変化が起こってしまいます。
月経前の女性は、目安量よりも10〜15rほど減らすか、目安量を超えないように配慮する必要があります。
閉経後の女性は、過剰摂取によって子宮内膜増殖症(子宮内膜が厚くなりすぎる病気)へのリスクが心配です。
実際にイソフラボンの摂取をやめたことで、この病気の病状が良くなったという報告があります。
男性も精子数の減少や体つきの変化などとりすぎにはリスクがあります。
女性も男性も、それぞれに注意しなければなりません。
また、妊娠・授乳中の女性や発育途中の子供に対しては、サプリメントでの摂取は勧められていません。
もしも不安に感じる場合は、医師に相談してください。
しかし、私たち日本人は、古くから大豆製品を食生活に取り入れてきました。
それでも過去に食品でのイソフラボンの過剰摂取が悪い影響を及ぼしたという話は、これまでに聞きません。
ですから、食品の摂取量に対しては、そこまで敏感になる必要はないでしょう。
むしろ、日本人は普段通りの食生活で、必要なだけのイソフラボンをほぼ摂取できていたといえます。
実際に、大豆製品を摂取する習慣のない欧米の女性と比べ、日本人女性は乳がんのリスクが低いといわれています。
しかし、最近は食生活の変化によって、大豆製品どころか和食自体食べられる機会が減っているといわれています。
乳がんのリスクを下げるためにも、これまでのような、大豆製品をふんだんに取り入れた日本人らしい食生活に戻すことが理想です。