イソフラボンは、マメ科の植物に含まれるポリフェノールの一種です。
美容や健康に様々な効果があることから、多くのサプリメントや、化粧品などに配合される栄養成分です。
一方、エストロゲンは女性ホルモンの一種です。
この、栄養成分と女性ホルモンという一見何の関係もないように思われる両者は、切っても切れない深い関係があるのです。
(1)イソフラボンの「エストロゲン様作用」
エストロゲンは、女性らしい身体づくりや美しい肌、そして健康維持にも欠かせないホルモンです。
このホルモンは、女性のみならず男性の身体の中でも分泌されています。
しかし、生活習慣の乱れや加齢などによって、分泌量が極端に減少してしまうことがあります。
エストロゲンが減少すると、さまざまな身体の不調や、病気のリスクを高めるなど、女性にも男性にも多くの影響があります。
そこで、エストロゲンと似たような分子構造を持つイソフラボンが効果を発揮します。
イソフラボンは、身体の中でエストロゲンと同じようなはたらきができるのです
このようなエストロゲンに似たイソフラボンのはたらきを、「エストロゲン様作用」と呼んでいます。
イソフラボンは、大豆などの食品、サプリメント、イソフラボン含有の化粧品などで補うことが可能です。
(2)イソフラボンの「抗エストロゲン作用」
エストロゲンは分泌されればされるほど良いというわけではなく、過剰分泌もまた身体に悪い影響を及ぼします。
イソフラボンには、エストロゲン様作用と相反するはたらきとして、「抗エストロゲン作用」があります。
これは、過剰に分泌されたエストロゲンを抑制する作用です。
この抗エストロゲン作用によって、エストロゲンの過剰分泌が原因といわれる乳がんの予防に役立ちます。
食生活に大豆製品を取り入れることの少ない欧米諸国よりも、日本や中国など、大豆製品をよく食べるアジア圏の国々の方が、乳がん患者が少ないという報告があるのです。
イソフラボンには、足りないときには補い、多すぎるときには抑えるというように、状況に合わせて臨機応変に対応する力があるのです。
女性はもちろん男性も、摂取量には気を付けつつ、積極的に摂取したいものです。